東京地判令和3年4月21日 判例時報2521号87頁 平成30年(行ウ)第246号 婚姻関係確認等請求事件(一部却下、一部棄却(確定)) 　アメリカ合衆国ニューヨーク州の婚姻の方式に従って婚姻を挙行したXらは、千代田区長に対し、婚姻後の夫婦の氏につき夫の氏と妻の氏のいずれにもレ点を付した婚姻届を提出したところ、民法750条及び戸籍法74条1号に違反していることを理由として不受理とする処分(以下、「本件不受理処分」という。)を受けた。 　Xらは、Y(国)に対し、公法上の法律関係に関する確認の訴え等を行った。 　本判決は、外国に在る日本人がその国の方式に従って婚姻をする場合には婚姻挙行時に「夫婦が称する氏」を定めているとは限らず、法適用通則法24条2項は、「夫婦が称する氏」を定めることなく婚姻することを許容しているものと解さざるをえないとして、婚姻は日本において有効に成立していると判断したが、戸籍法122条に基づく家庭裁判所への不服申立の手段に言及し、確認の利益を欠くとした。