研修会「情状弁護の質的転換を目指して〜困難を抱えた人々の法的支援と刑事弁護」(オンライン+東京会場 開催)
公益財団法人日弁連法務研究財団 主催
これまで、刑事事件では一般に、刑罰により犯罪者の反省を促し更生を図るという方法がとられてきました。
それに対し、アメリカのフロリダで1980年代にドラッグ・コートという薬物専門の裁判所が開設され、刑罰ではなく治療を通して再犯を防止するという実践が始まりました。そこから「治療的司法」という新たな司法観が生まれ、薬物のような物質依存に限らずギャンブルやDVなどの問題行動の原因を解決して刑罰を回避する「問題解決型裁判所」と呼ばれる一連の治療・回復支援型の裁判実践が普及しつつあります。
日本の裁判所においても、治療的司法という考え方に共通する発想が広まりつつあります。例えば、刑の一部執行猶予制度は、被告人の刑の一部の執行を猶予してその間に社会内で問題解決(薬物問題など)を目指すもので、刑罰一辺倒の従来の刑罰観と異なっています。周知のとおり高齢者や障害者の再犯率が高止まり傾向にありますが、そうした犯罪者の問題を解決する仕組みを司法制度に組み込んでいく必要があります。また、女性犯罪・女子非行の場合にも、その背景にある経済的貧困や家庭環境などの解決がなければ、再犯防止・再非行防止はおぼつきません。
そうしたケースを取り扱う弁護士においては、法的な解決のみならず、クライアントの抱える問題について他の専門職や援助職との連携しながら解決することを通して、人生を再生させる契機を生み出すことが重要となります。そこで、今回の研修では、厚生労働省事務次官を経験し、「若草プロジェクト」という問題を抱えた女性・女子の支援活動を呼びかけられている村木厚子氏から講演をいただくとともに、千葉大学の後藤弘子教授から司法過程におけるジェンダー問題について問題提起を行っていただくことにしました。その後、援助職や弁護士、支援を受けた当事者(元被告人)の経験談を伺いながら、具体的な情状弁護の実践方法や課題について意見交換を行います。
日時
2021年7月2日(金)16時~19時
開催方法
オンライン開催(定員500名)と会場(定員50名)のハイブリッド開催
会場
ビジョンセンター日比谷(定員50名)
https://www.visioncenter.jp/hibiya/access/
東京都千代田区有楽町1-5-1日比谷マリンビル 3階
東京メトロ・都営地下鉄 「日比谷駅」A9出口直結
プログラム(予定)
オーガナイザー:指宿 信(成城大学教授)
○基調講演
村木厚子氏(元・厚生労働省事務次官・若草プロジェクト代表呼びかけ人)
後藤弘子氏(千葉大学専門法務研究科教授)
○事例報告
ファシリテータ:菅原直美弁護士
登壇者: 弁護士、援助職、当事者等3〜4名を予定
参加費
無料
定員
オンライン500名,会場50名
※新型コロナウイルスの感染拡大状況によっては,会場参加は取り止めオンラインのみの開催となる可能性があります。
チラシ
申込方法
参加ご希望の方は,以下の申込サイトからお申し込みください。
オンラインによる参加でお申し込みの方には,後日,オンラインによる参加方法等の詳細について,ご登録いただいたメールアドレス宛てにご案内させていただきます。
https://forms.gle/FVW5NzNsQyEkGcf26
ご提供いただいた個人情報は、公益財団法人日弁連法務研究財団の個人情報保護方針に従い厳重に管理し、本研修の参加者確認及び連絡に使用いたします。
また,同個人情報は,参加者の方又はその他の関係者が新型コロナウイルス感染症の感染者であることが判明した場合の対応業務に利用します。この場合,必要に応じて保健所等の公的機関に対して収集した個人情報を提供し,感染拡大防止策を講じることがありますので,同意の上でお申し込みください。
入会金・年会費無料キャンペーン
※ 当財団が主催する研修会・シンポジウム等への参加者に対しまして,当財団に入会する際の入会金及び2021年度年会費を無料とするキャンペーンを実施しております。
この機会に日弁連法務研究財団の会員となることを是非ご検討ください。
<新規入会申込みWeb申込みフォーム>
https://form.qooker.jp/Q/auto/ja/zaidan/nyukai/